時々、庭で焚火をします。
休みの日は昼間に。休みの前の日は夜に。
大抵何か焼いて食べていますが、家族は食べ終わると家の中に引っ込んで
あとはひとりで焚火を楽しんでいます。
先日、いつも通り暗くなってからもひとりで焚火をしていて
ふと、そこが家ではない場所のような気がしました。
意識が火に集中していたこともあって、道具や周囲の木々や夜の闇の共通性から
山でキャンプをしている時のような感覚でした。
家の中にいても視界の端で風に揺れている枝葉、
そこに鳥がとまっているのに気づいたとき。
伸びる枝、茂る葉、咲く花と熟す実を眺めるとき。
ヤモリが軒下で雨宿りするのを見かけたとき。
姿の見えない虫の鳴き声を聴いたとき。
庭で体験したことを下地に、焚火がきっかけとなって、
時空を超えて僕の感覚に自然が働きかけたように感じています。
庭は、住まいと暮らしを自然の中に引き戻す装置として機能します。
自然に対して感じる潤いや生命感や豊かさは
それを望んでつくれば、庭であっても持ち得ることができます。